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新卒入社した会社に何十年勤めても部長以上になれない時代が来る

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新社会人の皆さん、入社おめでとうございます。新しい生活には慣れたでしょうか。皆さんは入社した会社でどのような人生を想像していますか?

最近は昇進意欲のある若者も少ないそうですが、僕は意欲があろうがなかろうが、新卒入社社員の昇進は部長までの時代が来ると予測しています。日本にもイギリスのような動労階級ができてしまう、と。

 

日本の経営者は部門の代表者に成り下がった

日本の大企業の役員は出身部門の代表者であって、経営者ではない場合があります。各部署の利害が衝突するのが役員会議であって、社長が最終決定を下す。場合によっては社長の出身部門が強くて、結局そっちの主張が通ってしまうとか。経営学、マネジメント、ビジネス、競合他社の動向、市場動向など客観的なデータや判断で経営できている経営者ってどれほどいるんでしょう?むしろ小回りの利く中小企業やスタートアップ、ベンチャー企業の経営者のほうが、そういった点は長けているのではとすら思います。

 

ついに国が動き出した

結局経営者としての素養やレベルが低すぎるために、一流と呼ばれる大企業でも粉飾決算が絶えません。この状況に国はイラだちを抑えられず、ついに社外取締役の実質義務化を断行しました。

toyokeizai.net

 

急激に進んだ社外取締役の選任

ここ数年で東証一部上場企業の社外取締役の選任が一気に普及しました。

社外取締役選任上場会社(市場第一部)の比率推移

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もはや一部上場企業で社外取締役がいない企業はほとんどありません。たった10年前は7割近くの企業は、自分たちだけで取締役会を構成していました。それが今は社外の監視の目があるわけです。部門間の争いなど社外取締役から見たら滑稽でしょう。そういった点にも改善効果が生まれると良いですね。

独立社外取締役を2名以上選任する上場会社(市場第一部)の比率推移

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国の指導力というのはスゴイですね。2名以上の選任に関しては、2015年に倍増しています。

 

参考:独立役員の選任状況等 | 日本取引所グループ

 

これからは経営者市場が日本でも形成される

急激に社外取締役の選任が増えた結果、社外取締役候補不足が起きているそうです。結果として元官僚や大学教授、弁護士がなるケースが増えているそうです。監視の目という意味では良いですね。が、もっと踏み込んで企業の競争力、実行速度、利益率の追及などプロ経営者を普及させる存在になっていけば、企業だけでなく日本全体の活性化や浮上に繋がると思います。

toyokeizai.net

 

もちろん、「経営学の知識なんかでビジネスはできない」といった批判も知っています。しかし、そういった知識は基本知識で必要なのではないでしょうか。基本知識がないのに現場力や経験則だけで経営した結果が今の日本企業の利益率です。今後はこういった点にも社外取締役の需要や選任圧力が生まれると予測しています。取締役の半数は社外取締役になるのではないでしょうか。そうなると、日本にもアメリカのような経営者市場が形成されるのではないかと思いますね。

 

新卒入社した会社に留まっても昇進できなくなる

社外取締役への要求の変化は企業の従業員構成にも影響してくると予測しています。管理職も現場経験よりマネジメントや経営視点が重視されるようになる。そうなると、生え抜きの社員は、部長以上から一気に減ってくることとなります。これに加えて年功序列や少子化による管理職ポストの減少。新卒入社した会社に留まり、そこで得た経験や知識だけで部長以上になるのは、並大抵の能力や運では絶望的になるのではないでしょうか。

hazakurakeita.hatenablog.com

 

ずっと平社員で権限も責任も欲しくないって人には関係ない話かもしれません。しかし、その状態で会社が倒産してしまうと、リスクは一気に露呈することとなります。そのような人材が40~50歳となって次の職を見つけるのは大変だからです。

 

こうなってくると、いずれ日本もイギリスのような労働階級が生まれてしまうんじゃないかと思いますね。これが良いことなのか、悪いことなのかはなってみないと分からないですけど。とりあえず僕は労働階級で人生終わってしまうのは嫌だなーと思ってます。がんばろーっと。

 

おしまい。