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南海トラフなどプレート型地震の原理と、その周期や予知、発生確率が曖昧な理由について

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来るぞ来るぞと言われ続けている東海地震。最近は南海トラフという言葉が先行して、東海地震震源域である静岡よりも、関西や四国に注目が集まりつつあります。結局どうなの?ということで、今回は南海トラフで発生するプレート型地震の原理と、その周期や発生確率が曖昧な理由をまとめました。

 

なぜ南海トラフで大地震が起きると言われているのか?

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気象庁|東海地震について | 巨大地震の可能性

南海トラフで発生する地震は、東海地震、東南海地震、南海地震の3つです。これらの地震が過去4回、100年から150年の周期で定期的に起きていることが確認されています。東南海と南海地震は前回の発生から70年程度しか経過していないのですが、東海地震は160年も発生していません。このため、東海地震が最も切迫性の高い地震として注意喚起されているわけです。

 

プレート型地震の原理について

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南海トラフはフィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界のことです。このフィリピン海プレートはユーラシアプレートに向かって毎日動き続けています。このため、フィリピン海プレートの上にある島は日本列島に毎日近づいて来ているのです。静岡県の伊豆半島は、島が本州に衝突して一体化したものです。規模が大きいものでは、インドもユーラシア大陸に衝突してできてます。

 

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つまり、フィリピン海プレート上の島はユーラシアプレート上の本州に近づいているわけですね。

 

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衝突すると、島はユーラシアプレートに削ぎ取られてしまいます。そして本州と一体化します。これが例えば伊豆半島ですね。そして、赤い矢印が削り取られた部分と元の本州の境界線となります。ここが中央構造線ですね。

 

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しかし、中には削り取られずユーラシアプレートの下に潜ってしまう部分もあります。これによってユーラシアプレートも地中深くに引き込まれていきます。この下に潜ってしまった一部が圧力に耐えきれず破壊されたときにプレート型の大地震を引き起こすわけですね。

 

なぜ周期や発生確率が曖昧なのか

恐らくユーラシアプレートはフィリピン海プレートとの摩擦だけでも下に引っ張られていると思います。これに削り取り残しの力が加わってユーラシアプレートの沈み込み速度が変わるのでしょう。また、削り取り残しがあると、ユーラシアプレートも簡単には元の位置には戻りません。つまり、削り取り残しによって地震の周期は大きく変わってしまうわけです。時によっては削り取り残しによって小さな地震の連鎖に留まり大地震が起きないなんてケースもあるかもしれませんね。

 

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気象庁|東海地震について | 巨大地震の可能性

このため、今までの周期はアテになりません。100年後に起きたこともあれば、300年後に起きたこともあるのはこのためです。また、300年後だったからといって、100年後に起きたときよりエネルギーが大きいかというと、そうとも言えないのも同じ理由でしょう。

 

しかし、エネルギーは着実に溜まっているらしい

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気象庁|東海地震について | 巨大地震の可能性

気象庁のこのデータは恐ろしいですね。静岡県掛川と御前崎の相対的な位置関係を監視していると、1年に1cmずつ御前崎が沈下しているようです。これがユーラシアプレートが地中に引きずり込まれていることが原因だとすると、この160年間ゆっくりですが、着実にエネルギーを蓄えてきたことになります。つまり160cmも地中に引きずり込まれているわけです。このエネルギーが解放されると、単純に御前崎は160cmも一気に上昇することとなります。直下型地震が縦揺れの理由ってこういうことなんですかね。

しかしこれはあくまで1998年からのデータ。もしかしたら御前崎が上昇していた時期もあるかもしれません。大地震には至らず、緩やかにユーラシアプレートが滑っていた時期がないとも断言できません。だから160年間音沙汰がなかったとも言えちゃうわけです。

 

というわけで、地震を予知するというのは並大抵のことではないのです。確率も全くアテになりません。だって、現在ユーラシアプレートにどれだけのエネルギーが蓄積されていて、今回はどのくらいのエネルギーまで耐えられる削り取り残し達が存在するのかも分からないからです。いやー、全然スッキリしませんね笑。

 

 

とにかく用心するしかないですね。発生しても大災害にはなりませんように。

おしまい。